恋ぞつもりて、やがて愛に変わるまで。
「うーん……あ! たぶん、古典研究部の顧問の先生だよ」
考える素振りを見せていた紫ちゃんは、閃いたかのように答えてくれる。
「……え、そうなの?」
加入届けは担任の先生に提出したので、入部して3カ月経つが顧問の先生には会えていなかった。
中学の時も古典研究部は廃部寸前だったし、顧問も名ばかりで放置状態だったから、先生が来ない事に特に疑問も持たなかったのだ。
「私が部活の加入届を出しに行った時に、担任の先生に聞いたの。顧問の小町先生は今は休職中で、自分が臨時の顧問なんだって」
「そうだったんだ……」
私、臨時の顧問の事すら知らなかったよ……。
でも、どうして休職してたんだろう。
結婚して妊娠したとかいう話はよく聞くけれど、それにしてはクラス雰囲気がおめでたい空気じゃない。