恋ぞつもりて、やがて愛に変わるまで。
「俺だけが、好きだったのかよ……!」
あ……違う、違うよ。
あの和歌に込められた小町先生の想いは、君をちゃんと想っていた。
小町先生の想いが間違って伝わってしまっていたら、それほど悲しいすれ違いはない。
そう思ったら、いても立ってもいられなかった。
「ち、違うんです!」
盗み聞きしていた事も忘れて、つい声をかけてしまった私を朝霧先輩が「え?」と振り返る。
「あ……」
いけない、私ってば盗み聞きしてたんだった。
これで朝霧先輩にバレちゃったじゃん。
それも今さらだと心を決めた私は、朝霧先輩の元へと歩いていく。
その後ろを緊張の面持ちで、紫ちゃんがついてきた。