恋ぞつもりて、やがて愛に変わるまで。


「清奈はまた、誰かの心を救ったんだ」

「そんな……そう見えるのだとしたら、雅臣先輩のおかげです」

「……俺の?」

「私がしている事は全部、雅臣先輩がしてくれた事ですよ。私を受け入れて、時には頑張れって背中を押してくれて……」


そのひとつひとつが、私の血肉となって全身に流れている。

私も少しずつ自分の意思で動けるようになって、自分が変わっていくのを感じていた。

自分のしたい事がわからなくなった時、君のようになりたいと思うと自然に動く事ができた。


「今までなら、自分が何を望んでいるのかがわからなかった」


でも、雅臣先輩と出会ってからの私は、和歌が好きになり、誰かの居場所になりたいと願ったり……。

知らない自分に出会ってばっかりだ。

だけど、これだけはハッキリわかる。

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