恋ぞつもりて、やがて愛に変わるまで。


「頑張ってね、清奈さん」

「フラれたら、慰め会くらいはしてやるよ」

「ここにいるみんなは、清奈ちゃんの味方だからね」


みんなが、私にエールをくれる。

それに、心に力がみなぎってくるみたいだった。

景臣先輩が雅臣先輩じゃないと知った時、私がこの部にいる理由はなんだろうと、迷ったりもした。

けれど景臣先輩だけじゃなく、みんながいるからこそ、ここは私にとって大事な居場所になるのだと改めて気づく。

私、古典研究部に入ってよかったな。

だから景臣先輩にも気づいて欲しい。

私たちは、君がどんな過去を持っていたとしても、ありのままを受け入れる。

藤原景臣というただひとりの人間を、私たちは必要としているから。

ここは君にとっても居場所なんだってこと、何度でも伝えよう。

罪悪感に囚われている、君を救うために。


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