恋ぞつもりて、やがて愛に変わるまで。
「そうやって、文句を言えるならいいじゃないですか」
「なんだよそれ、どういう意味だよ」
私の言葉に気を悪くしたんだろう、在田先輩の眉根が寄り、深い皺を刻んでいる。
それに怯みながら、私は言葉を探す。
「だから……その、私が言いたいのは……」
医者という将来から逃げられない私と、【くそくらえ!】って将来に反抗できる在田先輩。
なりたいモノになれないことに、もどかしさを感じてるのは同じだけど、私たちはやっぱり違う。
その現実に、ひどく落胆した。
「在田先輩は、自由じゃないですか。私よりずっといい」
「いいだと……?」
在田先輩の額に青筋が浮かぶ。
それでも私は、責めるような言い方をやめられない。