恋ぞつもりて、やがて愛に変わるまで。
「あのさ、紫ちゃんも古典研究部に入らない?」
「古典研究部に?」
「うん。活動は自由だし、なにより紫ちゃんの夢をバカにする人なんていないよ。応援してくれると思う」
紫ちゃんに部活に入って欲しくて、思わず力説してしまう。
一生懸命の自分というのは、なんでか恥ずかしいもので、私は言い終えた後に全身の血液が顔に集まるのを感じていた。
「部活……あこがれてたんだ! でも、きっと溶け込めないだろうなぁって、敷居が高く感じてたの」
「そっか、じゃあ……!」
期待を込めて見つめた私に、紫ちゃんは大きく頷いて微笑んだ。
「入部します、古典研究部に」
「よかった、さっそく案内するね!」
入部すると決めた紫ちゃんを、私はそのまま部室に連れて行った。
入部する胸を伝えた紫ちゃんを、雅臣先輩も業吉先輩も快く受け入れてくれた。
こうして古典研究部は紫ちゃんも加わり、部員4名になった。