未来
大学
「未来、最近はどう?」
俺たちは夕食 “焼き鳥” を食べるために2人で待ち合わせをしていた
20を超えて酒を飲める様になったので、当たり前の様に俺はビールを片手に笑う
暫くして俺は大学生になった
正直、したい事も
望む未来も無かった
とにかく行ける範囲を広げるために毎授業しっかりと通った
バイトが忙しくて未来と会う時間も減ったけど
俺の想いも
友達以上恋人未満っていう2人の関係も冷めることはなかった
友達以上恋人未満と言えるほどのものではないかもしれないけど。
俺はその関係でも満足していた
いつか…
いつか、
未来が誰かと恋仲になったとしても
笑って「おめでとう」と言う覚悟すら決めていた
「最近ねぇ…あ、もうすぐ弟が高校受験なの」
未来は少し悩んで微笑む
「へぇ。未来も大変だな」
ビールを飲みながら呟いた俺のひと言に
未来はびっくりした様な顔をして
言った
「…なんで私?」