未来
「でね。弟の合格祈願のために毎日神社に通ってるんだ」

未来が両手を合わせパチンと鳴らす

「へぇ…坂の上の神社?」

「そうだよ」

満面の笑顔で笑う未来
けど1つ突っ込ませてくれ

「でもあれって縁結びの神様が祀ってあるんだろ?安産祈願とかもいいらしいけど」

「…え」

はじめて知ったと言わんばかりに未来は目を見開く

知らずに通ってたのかよ

「学業成就だったら一駅向こうの…」

鈍臭いなぁと学業成就の神社を教えると未来は真っ赤な顔で言った

「遠いから!えっと…遠いから、もうここでいいやー…って…思ったの!」

いや、無理矢理すぎ

「お前の仕事場から5分もかかんねーよ。むしろ坂の上にある神社の方が時間かかるわ」

「…っ」

何も言えないと黙り込んだ未来に
いたずら心が出てニヤリと笑って言った

「調べてから行こうな?もしお前みたいに参拝者がいたら「若いのに大変ねぇ」って言われるぞ」

「うるさい!馬鹿」

真っ赤な顔を背けた未来が可愛くて
さらに追い討ちをかける

「本当、そういうとこは抜けてるよなぁ。
参拝するとこに甲板出てるだろ」

「そんなの、誰も見ないもん」

あ、拗ねた
…可愛い

「いや、毎日通ってて気づかないのは相当抜けてるぞ」

「…悠くん。」

未来が急に俺の名を呼んだから
俺のいじりスイッチが切られた

「ん?」


「好き」
< 40 / 78 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop