未来
未来が俺を見つめる

「…え…?」

酒、まわったかな








硬直する俺に未来はニヤリと笑った






「冗談だよ、ばーか。」

「…っおま…ふざけんなよ…」

一気に脱力する

ありえねぇ

確かにからかった俺も悪いけど


ありえねぇ


心臓に悪い…

それに未来が真剣な表情で言うから
騙された

「私をからかうからだよ。」

そう言って笑うお前
…仕返ししてやる

元はと言えば俺が悪いかもしれないけど
そんなの知らない

俺が毎度毎度どれだけ我慢しているか知らないくせに


俺は席を立って未来の隣に移った

「…ちょ、はるか…く」

急に近くなって戸惑う未来
けど俺はやめてやんない

その華奢な手に触れ、肩に手をまわす

徐々に唇を近づけ…
お互いの吐息がかかる

未来は全身に力を入れて目すらもギュッとつむった

「はる、かく…」

互いの唇が触れるギリギリのところで


停止



顔を真っ赤にした未来にキスしたい衝動を必死に抑えて


ギリギリのところで停止


瞑った目を開けては顔の近さに驚き目を瞑る
それを繰り返す未来が可愛くて

しばらくの間そのまま動いてやらなかった
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