君の未来に、僕はいない
第一章

清峰葵とわたし

目の前には鮮やかな赤が広がっている。
 
私の前から消えたあの日、君は赤に染まっていた。
 
道路にじわりと染み込んでいく赤と、空から降り注ぐ灰色の雨。

君が私に隠したかった過去は、あまりに残酷で、あまりに切なくて、あまりに痛かった。
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