飴のち林檎
な、なんで!?

昨日の出来事が、また蘇る。

私は、とっさに逃げようとした。

まぁ、逃げようったって、出入り口には先生がいるし、窓際にいた私はすぐに見つかった。

「雨宮ぁ、呼ばれてるぞ。」

入り口にいた来夢が私を呼ぶ。

はぁ....

なにも悪くない来夢に、キッと鋭い目線を送った。

来夢は、なんだよ、と言いたげにこちらを見る。

だよね、ごめん。私が悪かったよ。

「はい、すみません。」

そう言いながら、先生のところへ向かう。

「なんで謝るんだ?へんなやつだな。」

ふっと笑いながら、先生が私を見る。

え、かわいい...。

って!違う違う!

「あ、なんとなく...。なにか、御用でしたか?」

先生の顔がまともに見れない。

「ああ、昨日...。」

先生がそこまで言ったとき、昨日のことが頭をよぎる。

ぼっと赤くなる顔。

「すみません。ちょっとお腹痛くなっちゃいました!」

とっさにそう言い、トイレへと向かう。

「おい、雨宮、大丈夫か!?」

そんな先生の言葉を背に、そそくさと逃げた。
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