飴のち林檎
ピピピッ

「どうだ、熱あったろ?」

いや、あの、36.0度...

「いや、ないです...」

「本当か?」

はい、と振り返ろうとすると

後ろから体温計を覗き込まれていた。

近い!耳!耳元!

また、自分の顔が赤くなることがわかる。

「本当だな、んー、ちょっと休んでいくか?」

いや、覗き込まないで!

なにその優しい顔!かっこいい...じゃなくて!

「だ、大丈夫です!!!」

勢いに任せて飛び出そうとすると

「おい待て!」

腕をグイッと引かれ、上から覗き込む綺麗な顔。

下から見てもシュッとして綺麗な顔。じゃなくて!!!

「お前、なんかおかしいぞ。ほら、これ食って落ち着け。」

先生には似合わない、かわいい飴。

「あ、ありがとうございます...。」

私は可愛い包み紙の飴を両手で大事に握りしめて

教室へ戻った。
< 9 / 9 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:3

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

白恋ージュンアイー

総文字数/0

恋愛(純愛)0ページ

表紙を見る
好きだったよ

総文字数/381

詩・短歌・俳句・川柳1ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop