好きの海に溺れそう
中学のときのあたし達ならありえなかったもん。



今は海琉に気づけて良かった…。



そのあと作ったガラスのコップは海琉イメージ。



名前に「海」が入ってるから、海のような透き通った青っぽいガラスにした。



やばい、超いいかも。



作ったガラスは郵送してくれるらしい。



そのあとは美ら海水族館に行ったり、食べ歩きをしたりしてホテルに向かった。



今日のホテルで楽しみなのは温泉!



昨日は部屋風呂しかなかったけど、今日と明日は大浴場の温泉なんだ。



「部屋広い!最高~!」



部屋にはすでに女子がみんないて、それぞれの荷物が広げられていて散らかっている。



「みんなで写真撮ろ!」

「撮るー!」



テンションが異様に高くて最高に楽しい。



ごはんまで少し時間があったから、一人部屋を出て海琉に電話をかけてみた。



《もしもし?》

「海琉?」

《うん、楽しんでる?》

「最っっ高に楽しい!」



電話の奥からは「いいなあ」という海琉の声。



それを聞いて、なんかほっとした。



「明日の夜、ちゃんと起きててね?」



あたしは、そこにある椅子に腰を掛けながら言った。



明日の夜、何があるかというと、実はあさっては海琉の誕生日だ。



本当は直接お祝いしたいけどできないから、ぴったり夜0:00に電話で祝うんだ。



《…杏光?》

「ん?」

《話したら会いたいね》



会いたい…。



今、死ぬほどキュンとした…。



「そんなこと言われたら帰りたくなっちゃうじゃん…」



どこでもドアがあればいいのに。



それなら会いたいときにいつでも会える。



「じゃあまた連絡するね」

《うん、楽しんでね》

「ありがと!」
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