好きの海に溺れそう
「どう?」

「うん、美味しいよ」



そんな事してたら、杏香さんと悠麗がそれぞれ起きて部屋から出てきた。



四人で朝ご飯を軽く食べて、着替えと荷物のために一回家に帰る。



準備出来たので、杏光からお弁当を受け取るために杏光の家に戻った。



「はい!いってらっしゃい!頑張ってね」

「ありがと」

「なんか夫婦みたいじゃない!?」



杏光は朝から元気だ。



昨日まで修学旅行に行ってたなんて嘘のよう。



杏光のうしろで悠麗があきれた声で「俺も母さんもいるからな~」と言ってる。



杏光に手を振って家を出た。



一人で登校はやっぱり少し寂しい。



でも、杏光がいない間はずっとバイトしてたから、その分今日は休み。



早く帰ろう。



お昼の時間にお弁当を広げると、新太がのぞき込んできた。



「いつもと弁当箱違くね?」

「ああ…杏光が作ってくれたの」

「まじ!?」



騒ぎ出す新太。



あ、なんかめんどくさそう…。



「お前ほんっと、杏光先輩のこと散々彼女じゃないとか美人かわかんないとか言っておいて、結局付き合うんだからなんなんだよ!ずりいよ」



ずるいって…。



だって本当にそうだったんだもん…。



黙ってお弁当を食べ続けてたら、新太はとんでもないことを言い出した。



「じゃあ今日は杏光先輩と会わせろよ?」

「え!?なんで!?」

「日頃面倒見てやってるんだからそんくらいいいだろ。俺、杏光先輩のファンなの」



面倒なんて見てもらった覚えないんだけど…。



「杏光、今日学校いないから無理」

「そんなん知ってるわ…。海琉ん家の隣の家だろ?行くからな?」

「なんでせっかくのバイト休みを新太と過ごさないといけないの…」

「お前…。その言い方はないだろ…」



結局、嫌だと言ったのに新太が無理矢理着いてくることになった。



せっかくバイトないのに~…。
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