好きの海に溺れそう
あたしは跳ね起きた。



「んん…なに…」



ゆっくり目を開ける海琉。



「わっ! 杏光…服着て!」



今はそんなことどうでもいいよ!



「クリスマス…プレゼント? 開けていい?」

「ん…」



赤いリボンで包まれたプレゼントの包み。



ゆっくり開けたら、赤色の可愛いマフラーが入ってた。



マフラー!?



「海琉!」

「なに!? 気に入らなかった!?…顔ではないね」

「これ!」



あたしは覆い被さるようにして、海琉にあたしからのプレゼントの包みを押しつけた。



海琉の体温があたたかい。



でも海琉はというと、横を向いたまま目をぎゅっとつぶってる。



「んっなに…嬉しいけど…まず服! 着て!」

「はーい」



あたしが渋々服を着ている間に、海琉がプレゼントの包装をはがす。



「えっ…これ!」

「そう~。マフラー! 被ったからびっくりした!」



あたしが海琉にあげたのもカシミヤのマフラー。



「いつも巻いてもらってるから~」

「俺も、せっかくだからと思ってマフラーにしたの」



嬉しい…。



大好き…。



「杏光、これ高かったでしょ…?」

「うん! 頑張った!」

「ぎゅ!」



海琉からぎゅってされた…。



萌え死!



うつぶせて足をジタバタさせた。



「かえろっか」



しばらく2人で部屋でまったりしてたらチェックアウトの時間が近づいて、海琉が言った。



帰りたくない…。
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