好きの海に溺れそう
今日は、彼…夏樹(なつき)の家に行く。



夏樹おすすめの映画を見るんだ。



夏樹の家はここから近い。



ちなみにだけど、あたしは学校から家までは歩いて行ける距離にある。



位置が微妙だからたまに自転車を使うけど。



歩いては20分から、場合によっては30分。



結構かかるから不便ではある。



なーんて、夏樹との会話に適当に相づちを打ちながらそんなことを考えてたら夏樹の家に着いた。



夏樹の家は普通の一軒家。



マンションであるあたしの家と違って二階建てだからうらやましい。



「夏樹は海外のホラー好きだよね。今日のもそう?」

「いや、今日は残念ながら日本の映画。ちょっとグロいけどおもしろかった!」



夏樹の部屋に入ってDVDを出す。



R15のヒューマンものだ。



「え~、これ?」

「杏光こういうの嫌い?」

「まあたまにはいっか。見よ~」



夏樹の部屋のDVDデッキにDVDをセットして、2人でソファに並ぶ。



始まった映画は、人間って怖い…って感じのヒューマンサスペンスだった。



いつも夏樹とみてるホラーとはちょっと違う。



ソファにずっと座ってるのがつらくなったあたしは、ソファーの下のカーペットに座った。



「ん、何これ…」



そのとき足に当たった固いなにか。DVDっぽい。



「なっちゃん何、こんなの見るの~?」
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