好きの海に溺れそう
みんなで旅行
~杏光~

白い雪!



光るゲレンデ!



最高!



恒例旅行に来てるあたしたち。



なのに…。



「痛っ!いった!」

「…杏光大丈夫?」



海琉と玖麗が心配そうにあたしを見る。



「…大丈夫」



そう…。



あたしはスノボがめちゃくちゃ下手なんです…。



勢いよく転び雪の上で一回転したあたしは、海琉たちを先に行かせて現在後ろの脇の方からみんなが滑ってるのを見てる。



おかしい…。



あたしと海琉、玖麗、悠麗はみんな同じ時に始めたはずなのに何であたしだけこんなに下手なの…。



運動が苦手なはずの玖麗だって普通にできてる。



あたし運動苦手じゃないのに…。



しばらくしてからあたしもゆっくり滑り降りた。



これはこれで楽しい。



下で待っていてくれてた海琉に謝った。



「あたし1人で適当に滑るから」

「でも…」

「いいのいいの!待っててくれる方が申し訳なさすぎて嫌だから!」



なさけなー…。



しぶしぶとした顔で行った海琉。



と思ったら、並んだリフトでお姉さんたちに絡まれてる。



ゴーグルして顔わかんないはずなのになんで逆ナンに合うのよ!



慌てたあたしは下手なりに頑張ってリフト乗り場に行った。



「君うまいねー…。さっき一緒にいた子彼女?」

「えっ、はい…」

「でも今一緒にいないってことは別行動? 良ければあたし達に教えてくれない?」



前方にいるお姉さん達からそんな会話が聞こえる。



冗談じゃない!



急いで海琉のところまで一生懸命たどり着いた。
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