好きの海に溺れそう
「あっ、おい、玖麗に飲ませんなよ!」



玖麗のコップにも注いだので悠麗が小太郎をはたいた。



「いってーなお前。父親を殴るとはいい度胸だな」

「15歳の俺らに飲ませる方がおかしいだろ!」



そう言いながら悠麗も飲んでる。



玖麗もキョトンとした顔をしながら飲み始めた。



あたしと海琉も目の前にお酒しかないから飲む。



結果…。



一口しか飲んでない玖麗が床で爆睡し始めた。



海琉も一杯飲んだら目がトロンとしてる。



悠麗はあんまり変わらない。



あたしは…。



「雛子さーん、海琉と一緒に住みたーい!」

「早く結婚してよ~」

「まだ年齢的にできないもーん」

「たしかに!」



2人で「キャハハハ!」と笑った。



たのしーい!



3杯目のウーロンハイでテンションが上がりだしてさっきからずっと雛子さんとこんな会話を繰り返してる。



お酒はもう6杯目だ。



海琉の方はさっきからコックリコックリしてるのでこっちの話は聞いてない。



「海琉―! 起きてー!」



海琉をたたき起こそうとする。



「うん…」

「はい、口あけてー! あーん!」

「あーん…」



海琉の口に残ったお刺身を放り込む。



眠そうにもぐもぐと食べて飲み込んだ。



「ちゅーしよ」



そう言って顔を海琉に近づけたら、後ろからパンッと殴られた。



「アホ親父!」

「ふざけんなよお前! 高校生は交換ノートするくらいでいいんだよ」

「はあ!? 何それ、今時小学生だってチューくらいしてるっつーの!」



あたしは小太郎にこれでもかというほど大声で反論。
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