好きの海に溺れそう
「悠麗もなんか言ってよ!」



悠麗に助けを求める。



「つーかよく親の前でそんなことできんな杏光。もう部屋戻った方がよくね?」

「じゃあ部屋戻ってチューしよ-」



小太郎がなんか怒ってるけど無視。



「部屋戻ろー」



海琉と玖麗を無理矢理立たせた。



「は!? 待てよ杏光。海琉と一緒の部屋とかだめだからな!?」

「まーま、いいじゃないの~。この2人泊まりまでした仲なのに今更~」



そう言ったのはお母さん。



さっすが!



4人で親の部屋を出た。



行くのはその隣の海琉たちの部屋。



「は? お前ら2人は自分の部屋戻れよ」



悠麗があたしに言った。



「いーじゃん。もうちょっと海琉と一緒にいる~」

「こんな死にかけてる海琉と?」

「いーの!」



そう言ってむりやり部屋に入った。



「んんー…眠い…」



玖麗がほぼ閉じてる目のまま、そばにあるベッドに倒れ込んだ。



玖麗は部屋に戻してあげてもよかったかも…。



若干玖麗に申し訳なくなりつつも、海琉にはしっかりチュー。



海琉は眠気で無反応…。



悠麗はあたしたちを見ないようにしてテレビをつけた。



口の中がお酒で気持ち悪いから海琉と一緒に洗面所に行って歯を磨く。



「手、動いてないよ」

「うん…」



仕方ないから海琉の歯ブラシを持って磨いてあげる。



「はい、うがいして」

「うん…」

「一緒に歯磨くの楽しいね!」

「うん…」



お母さんになった気分。



多分シラフだったらこんなことしてない。
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