好きの海に溺れそう
出てきたのはエロエロビデオ。



セクシーな水着を着た女の子が笑ってる。



「おっぱい大きいのが好きなの~?」

「ちがう、これは…テ、テスト勉強の…道具? 保体の…」

「あたしじゃ不満かボケ」



そのDVDで夏樹の頭を軽くはたいた。



別にこんくらいじゃ本気で怒りませんよ…。



「だって最近杏光やらしてくんねえんだもん…。いいじゃん、胸でかいんだから」

「逆ギレかっ! そして流そうとするなーっ!」



夏樹があたしの服の中に手を入れて押し倒してくるから叩いた。



「けち…」

「今日は本当にだめ。女の子の事情」

「そ…」



あたしはこの男にとって体だけでしょうか…。



いつ捨てられてもおかしくないと思う。



夏樹は顔は最高だけどこういうところがあるから困る。



「夏樹は浮気してるよね?」

「してねえよ~。俺は杏光だけじゃ」



それは本当ですかね…。



別に浮気はしていいから、逆に聞かれたときは正直に答えて欲しい。



「杏光、飯食ってく?」

「んー、どうしよ…。あ、でも今日はいいや」



家帰って海琉に今日どうだったか聞かなきゃいけない。



「てかお前変わったよな~。昔はデレデレだったじゃん、俺に。ツンデレですか~?」

「うるさいよ」



それにしてもどうやらあたしは好きな人にはデレてしまうらしい。



わかりやすいから直したいんだけどどうしても無理だ。直らない。



「こういう杏光も可愛くて好きだけどー」

「じゃあデレてあげるよ。なっちゃん好きーぃ」

「んー、俺も好き-」



そう言ってあたしにキスしてくる。



はは…。何この茶番…。
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