好きの海に溺れそう
俺は完全に食事の手を止めてしまってて…。



杏光は相変わらずすました顔で味噌汁を飲みながらつま先で俺の足を逆撫でしてる。



なんか杏光がエロいんですけど…。



テーブルの下でいちゃついてるから、俺はバレないように必死だ。



杏光は楽しんでるみたいな顔。



杏光、変態なの…?



でも、続けてたらさすがに杏光の隣に座ってる杏香さんにバレた。



「お行儀悪いでしょ! やめなさい!」



そして怒られてる…。



本当だよ…。



「高校生にもなってこんなことで怒られて…」

「でも仲良くていいねえ」



怒ってる杏香さんと、一方で俺のお母さんはニコニコしてる。



お母さんは呑気すぎるよ…。



「雛子さん…好き」



杏光は調子よくそんなこと言ってるけど…。



「私、本当に二人には結婚してほしかったから今こうなってすごくうれしい」

「結婚するから楽しみに待っててね、雛子さん」



照れるけど、杏光にそんな風に親の前で言われるのはすごく嬉しい。



こうやってお互いの親に公認なのっていいな。



「はやくお嫁にもらってあげるからね、海琉」



杏光が俺にいたずらっぽく言った。



そのあと帰ってきた悠麗にも今日つくったガトーショコラをあげた。



大好評で嬉しい。



今年のバレンタイン、今まででいちばん最高だった。



杏光のおかげ…。



杏光、嫁でもなんでもいいから早くもらってね?
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