好きの海に溺れそう
パネルで部屋を選んで、そのまま真っ直ぐ部屋に行った。



「海琉こういうところ来るの初めてでしょ?」

「…」



聞いちゃだめだったかな?



そう思ったら、海琉から予想外の言葉が来た。



「杏光の初めてはなんでも俺がいい…」



………。



可愛すぎる…。



ちょっと顔が赤くて膨れてる感じ…。



あまりにも可愛くて可愛くてどうしようもないよ…。



「あたしだって海琉の初めて好きになった相手があたしじゃなくてヤキモチ焼いてるよ?」

「こんなに好きなの杏光が初めてです…」

「あたしもこんなに好きでこんなに幸せだと思う人は海琉が初めてだよ」



海琉があたしを強く抱きしめた。



愛しくて愛しくてたまらない。



あたしもこれでもかというほど抱きしめた。



「お風呂はいろ?」



あたしがそう言ったら、珍しく素直に「入る」と言った。



うちの子、信じられないくらい可愛いです…。



「ファスナー開けて…」



海琉に背を向けて背中のファスナーを開けてもらう。



ファスナーを開ける音が耳に響く。



くるっと前を向いて海琉の服も脱がせた。



お風呂の中ではシャンプーしあったり。



湯船の中でくっついた。海琉の赤い顔は知らないふり。



今日は赤くなることが多いね。心臓の音が近い。



お風呂から上がって、置いてあるバスローブを着た。



海琉に髪を乾かしてもらう。



「楽しいね?」



顔だけ振り向いて海琉に言うと、手を止めてにっこり笑ってくれた。



エッチしなくても十分だなって感じ。



まあするけど…。



「乾いた!」

「ありがと~海琉!」



海琉に向き合って正面から抱きついた。



手を引いてベッドの上に座る。
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