好きの海に溺れそう
ですよね…。



こんなことなら最初から今日は泊まることにすればよかった…。



「だめだった…」

「だよね…。杏香さんの信用失いたくないし帰ろっか…」



仕方ない…。



でも最高の誕生日だった…。



ふたりで時間ギリギリまで過ごしてから家に帰った。



帰る途中コンビニでケーキとロウソクを買って、あたしの部屋でお祝いした。



キスはケーキのイチゴ味。



「杏光、今日はありがと」

「こっちの台詞だよ…。本当に楽しかった」

「そう言ってもらえてよかった」



海琉にぎゅっとくっついた。



「杏光、手、出して?」

「なあに?」



右手を出したら、うしろから何かをゴソゴソした海琉があたしの手の上に小さい箱を置いた。



「これ…」

「誕生日プレゼント」

「ほんと!?」



デートが楽しすぎてプレゼントの存在なんて忘れてたよ!!



箱のリボンをドキドキしながら外した。



「かわいい…」



海琉からのプレゼントは、小さい石がついたピンキーリング。



すごくあたし好みだ。



有名ブランドのやつで、多分結構高い。



「高かったでしょ!?」

「なんのためにバイトしてるのって話だよ」

「かわいすぎる~!毎日する!」

「そうしてもらえると嬉しい~」



左手の小指にしたらサイズピッタリ!



「なんでサイズわかったの?」

「昔からずっと一緒にいたから知る機会なんていくらでもあるよ」



さすが幼なじみ…。



言われてみれば一緒にアクセサリー買いに行ったり指輪の話したりと、思い当たる節は色々ある…。



海琉に再びくっついた。



すごく濃い1日だったな…。



一生今日のままでいいな…。



隣には海琉がいて、大好きな人で、それだけいれば十分だ。



「来年もよろしくね?」

「もちろん」



大好き!
< 167 / 350 >

この作品をシェア

pagetop