好きの海に溺れそう
窓の外を見たら外はもう暗い。



お腹空いたな…。



「ラーメン食べて帰る?」

「賛成!」



よーし、今日は海琉とラーメン!



親にご飯はいらないことを連絡した。



「芹田くんも良ければ行かない?」



芹田くんにも声をかけた。



「いいんすか?霜月嫉妬しない?」

「あはは、するかも」



あたし達がそう言って海琉の方を見たら、赤い顔で「もういいから…行こ…」と言った。



本当に飽きない。



近くにあるラーメン屋さんに行った。周りにも、同じ学校ぽい子たちがいる。



「芹田くんは付き合ってる子とかいるの?」

「芹田の彼女、悠麗たちと同じ学校らしいよ」



芹田くんが答えるより先に、あたしと芹田くんの間にいる海琉が答えた。



「そうなんだ!なら知り合いの可能性あるかもね」

「ですねー」



だったら面白いけど。



3人で仲良くラーメンを食べて、電車通学の芹田くんとは解散した。



2人で手を繋ぐ。



「海琉―」

「ん?なに?」

「今日ちょっとだけ嫉妬してたでしょ、芹田くんに」



あたしが言うと、暗闇でも海琉が動揺したのが伝わった。



「海琉の変化にあたしが気づかないわけないんだよね~」

「だって普段杏光が仲良さげに男の人と喋るのって見ないじゃん…ちょっと慣れなかっただけ…」



自分の友達ですら嫉妬するの、かわいい以外の言葉でどうやって表したらいいの?



「海琉」

「なに…」

「好きだよ」

「………知ってるよ」



あたしのこの愛おしい気持ちが少しでも伝わるよう、海琉の手をぎゅっと握った。



そして一週間、一週間と毎回が過ぎていき、ついに、文化祭前日になってしまった。



今日は一日中文化祭準備があるので、海琉と朝から一緒。



いつも通り海琉と一緒に家を出て学校に向かう。HRに出席したら、いつもの教室へ!!
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