好きの海に溺れそう
「行くに決まってるよ!」

「きゃああ!ありがとうございます!楽しんできてください」



楽しんでというか仕事だけど…。



神奈ちゃん、ナイスな仕事回してくれてありがとう!



というわけで海琉と一緒に学校から出て買い出しに行くことになった。



外出許可申請を出して、予算を受け取って、いってきます!



「仕事だから手繋ぐの禁止ね?」



あたしがちょっと意地悪で海琉に言った。



「…わかってるよ」



そう言いつつ、ちょっと寂しそうな海琉。



犬みたい。



「嘘だよ!電車乗ったら繋ご?」



そう言ったら今度は海琉に「仕事だから禁止だよ」と言われてしまった。



バーカ!



結局電車から降りてから手を繋いでホームセンターまで来た。



「えーっとね、まずは風船」

「風船?風船は…こっち」



風船なんて何に使うんだろう。



「このぬいぐるみ海琉に似てる」

「えー?」



トイプードルが上目遣いでこっちを見てるぬいぐるみ。



海琉にそっくりだ。



買っちゃおう。



買い出し用とは別のかごにぬいぐるみを入れた。



「じゃあ杏光はこれ」

「なに?」



ライオンじゃん…。



可愛いけど…。



「あたしのことライオンだと思ってたの?」

「ライオンって堂々としててかっこいいじゃん。それに甘えるとき猫みたいで可愛いんだよ?」



照れっ…。



海琉もかごにライオンのぬいぐるみを入れた。



あたし達、犬とライオンのカップル。



「海琉見て、このお皿かわいい」

「ほんとだ」
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