好きの海に溺れそう
「だよね、無理言ってごめん」

《…》

「時間だったよね?好きな時間に来て。じゃあ…」

《あっ待って!》



…?



《悠麗…に聞いてみる!》

「え、本当に?」

《うん、杏光困ってるし、それに…悠麗との距離、縮められるように頑張ってみる…》



おおお!



あたしは感動した!



「ありがとう玖麗!!」



玖麗にたくさん感謝して、電話を切った。



悠麗が承諾するかわからないけど、もし出てもらえたら色々とありがたい。



出題内容については、あたしたちじゃなくて、カップル大好き神奈ちゃんが全部考えたから私たちは知らない。



まあでも、大丈夫だよね?



せっかくだから楽しむ!



というわけで、この企画は午後のステージなので、午前中は色んな団体のステージ企画の補佐をしたり一生懸命働いた 。



そして午後のステージの時間が始まった。



なんと、悠麗が承諾してくれて、玖麗と二人で出てくれることになった。



悠麗は人前でカップルの振りをすることに抵抗がないんだと思う。



それにしても本当にありがたい…。



「うう、緊張する…」



現在、他の出演カップルと一緒にステージ横で待機中。



隣の海琉を見ると海琉もやや緊張気味?



かわいいな…。



「海琉」



海琉に声をかけた。



こっちを向く海琉の顔を、両手で挟んだ。



「せっかくだから優勝して賞品ゲットしようね?」

「そうだね、頑張ろ」



隣にいる玖麗たちは、やや気まずそう。



頑張ってくれ~…。



でも、ずっと仲良しだった幼なじみな分、他のカップルに引けは取らないと思う…。



「出演者の方たちはステージに上がってくださ~い」



神奈ちゃんの声がけで、ステージに上がった。



割とお客さんが多い。
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