好きの海に溺れそう
一組目、『時間にルーズなところ』。正解。



二組目、『わがままなところ』。不正解。答えは、『ない』。(これは、客席から冷やかしの歓声があがった。)



三組目、『優柔不断なところ』。答えは、『心配性なところ』。



あたし達は…。



「杏光先輩の回答は、『たまに自分に自信をなくすところ』。では、海琉先輩の答えは?」



海琉が出したのは、『たまに自分に自信をなくすところ』。



やった…。



「おめでとうございます!!正解です!!いや~、この一致はすごいですね」

「多分、あたしがこういう問題出されたら海琉のこと考えて自己嫌悪になること、海琉にも分かってたんですね~」



これ、今日で一番嬉しいかも…。



あたしのこと全肯定してくれてるからこそ、あたしに対して「自信持っていいんだよ」って思ってくれてる。



あたしも、あたしのことを肯定してくれてるのが伝わっているから、海琉がそう思ってるのも想像できた。



海琉大好き…。



ちなみに、悠麗は『適当に相づちを打つところ』、玖麗の答えは『たまに生返事するところ』でギリ正解。



ここまで、悠麗たちは全問正解、あたしたちは一問ミスだ。



他のカップルは、半年の子たちが一番多くミスしていて、あとは同じくらい。



「では最終問題です!頑張ってください。最終問題は、好きになったきっかけです!どうぞ!」



海琉があたしを好きになったきっかけかあ。



思わず思いだす、過去の色々。



どこをきっかけにするか難しいところだけど、やっぱりここは、あたしが海琉を男として意識しはじめて、その微妙な変化に海琉が気づいたところが一番はじめのきっかけかな?



そう思ってそう答えたら、見事正解だった。やった!



あれ、ちょっとまって、悠麗たちはどうすんの…?



しまったと思って悠麗たちを見た。



「では今のところ全問正解の最後の組です。どうぞ!」



悠麗の解答は『幼稚園でいじめから守った』。



確かにそんな事もあったね…。



でも、そうじゃなくて、玖麗は…。



玖麗、これ、なんて答えるの?



玖麗なら、性格的に、答えないんじゃないかな…。



そう思った。



でも、玖麗がフリップで出した答えは、『生まれたときから好き』だった。



玖麗、勇気出したね…。
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