好きの海に溺れそう
客席から大きな拍手が起こった。



二人とも顔が真っ赤。



かわいいじゃん…。



「残念ながら不正解ですが、良い答えでしたね。以上で、このコーナーは終了です!」



次のコーナーになって、あたし達は二人ずつで並ばされた。



そして、空気が入った風船を配られる。



これ、昨日あたし達が買ってきたやつだ…。



まさか…。



「次のコーナーは、風船割競争です!必ず二人で抱き合って、お腹の圧で割ってくださいね!早く割った人が勝ちです!」



まじ…?



玖麗の方を見たら、「変な問題出ないって言ったのに!」と、赤い顔で小声で怒られた。



まじでごめん…。



悠麗も困ったという顔で頭をかいてる。



そして始まったゲーム。



海琉の顔もめちゃくちゃ赤い。



というかみんな、抱き合う時点でちょっと恥ずかしそうにためらってる。



一番最初に割ったのは、付き合って一年目のカップルだった。



やばい!私たちもやらなきゃ!



勢いでやるよ!!



間に風船を入れて、全力で海琉を抱きしめた。



パン!!



勢いよく風船が割れる音がした。あたし達は二番。



他の二組は、恥ずかしいのもそうだけど、割れるのがちょっと怖いみたいでなかなか力を入れられずにいるみたいだ。



そして悠麗たちは…。



めちゃくちゃぎこちない感じで抱き合ってる…。



頑張れ…。



結局、ビリは悠麗たちだったけど、なんとか割ってはいた。



知らなかったとはいえ申し訳ないわね…。



「では最後です!勝敗は誰の手に渡るのでしょうか!最後のお題はこちらです!」



出されたお題は、相手の好きなところをできるだけたくさん書き出し、二人の合計が一番多かったところが勝ちというもの。



これは勝ちたい!



「ではスタートです!」



海琉の好きなところ。



かわいいところ、すぐ照れるところ、手が男らしい、かわいい。これはさっきも出たね…。あと、優しいところ、あたしのことを全部受け止めてくれるところ、あたしのことを何でも知ってくれてる、思いやり、かっこいい、料理上手、すぐ嫉妬するところ、普段受け身なのに時折ときめかせにくるギャップ、声、身長、肌、顔、全部…。
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