好きの海に溺れそう
なにかあったんだろうか…。



少し小走りでこっちにやってきて、玖麗が気づいたと同時に、悠麗が芹田くんの肩をぐいっと掴んだ。



えっ…。



「おい、何やってんだよ」



悠麗がちょっとイラついてる…?



ちょっとちょっと、え、これはまさか…?



「? 悠麗どうしたの?」

「どうしたのって、玖麗がナンパされてたから…」

「ナンパじゃなくて、こちら、実結ちゃんの彼氏の!」



え?という顔で芹田くんのことを見る悠麗。



そして、しまったという顔をした。



「あ、すみませんでした…」

「あ、いえいえこちらこそ…?あの、杏光さんの弟さん…だよ、な?」

「? はい…知り合い…?」

「同じ実行委員!」

「えっあっ、そうなんだ…。色々なんか…すみません…」

「2人は…付き合ってるとかそういう?」



芹田くん!!



2人にとって多分気まずい話題だからやめてあげて!



「いや…」

「あ~そっかそっか。いやなんかすごい勢いだったから、勘違い」

「…」

「じゃあ杏光さん、本当に担当変わる時間なので替わりますよ!」



じゃあこのまま替わってもらおう。



2人も来たことだし、ちょうど良い時間だ。



「じゃああとお願いね~」

「はーい、お疲れ様です~」



芹田くんに任せて、あたしは2人を連れて中へ。



「今日も来てくれてありがとうね~」

「実結ちゃんの彼氏、まさか杏光たちと知り合いとは思わなかったよ…」

「あたしも!海琉と最近仲良いんだよ」



悠麗はさっきから黙ってる。



あたしもさっきの悠麗に少し驚いている。
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