好きの海に溺れそう
一生見てられる…。



かっこよすぎて人に見せるのがもったいない。



こんなかっこいい人いたら一瞬で在庫のケーキ全部なくなっちゃうんじゃない?



撮った写真を待ち受けに設定した。



配膳をしてくれたのは、海琉じゃなくてメイドさんだった。



どうやら海琉は注文を取る係みたいだ。



「杏光先輩こんにちは~」

「どうも~」

「どうですか、海琉くん」

「めちゃくちゃかっこいいね?海琉に執事服を着せてくれた人に感謝状を贈りたい…」

「そう言ってもらえて何よりです!」



ケーキセットをあたし達に出してくれて、かわいいお辞儀をしてその子が下がっていった。



「なに杏光、海琉のクラスの人に覚えられてんの…?」



悠麗が若干引き気味に言った。



「余裕で覚えられてる」

「まじか…」

「あたし達がそれだけ仲良いってことだから嬉しいよ」



それにしても…本当にかっこいい…。


でもそろそろあたしも自分のクラス行かなきゃ…。



「あたしそろそろ行くね?海琉が多分もう少ししたらシフト終わるから、そしたら3人であたしのクラスの方も来て-」

「はあい」



かっこよすぎる海琉を最後に連写してから、教室を出た。



あたし達のクラスは、魔法少女がテーマの綿菓子屋さん。



ふりっふりの魔法少女の衣装を女子も男子も着ます。



可愛いけど、あたしに全く似合わない。



更衣室で着替えてからあたしのクラスへ行ったら、日夏も同じ服を着て一生懸命綿菓子を作ってた。



「日夏」

「わっ、びっくりした。…あんた本当に似合わないね」

「日夏もね」



海琉はあんなに素敵なのに、あたしは全く似合わない衣装…。



でも、クラスの背が低めで目がくりっくりの女の子はめちゃくちゃ似合っていて可愛い。



もうこの子がこんだけ可愛ければそれだけでこの衣装にしたのは成功だよ…。



あたしも日夏の隣の子とバトンタッチして綿菓子を作り始めた。

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