好きの海に溺れそう
なんて考えてたら悠麗と昼麻ちゃんが帰ってきた。



「昼麻ちゃん久しぶりー!」

「お久しぶりです~!」



昼麻ちゃんとワーキャーやっているのを、やれやれという目線で悠麗が見てくる。



「何よ」

「別に」

「あっ、そういえばあんたエロ本持ってる? よね?」



とりあえずいきなり聞いてみた。



「は? なんで」

「海琉のベッドの下に隠す」

「最高。ちょっと待ってろ。持ってくる」



あるんだ…。



てか、彼女の前で言っていいんだ…。



昼麻ちゃんと一緒にリビングに行って、部屋に入った悠麗を待った。



「なんか飲む~?」

「あ、はい。ありがとうございます」



コップを二つ出して、お茶を冷蔵庫から出す。



それを持って昼麻ちゃんのところに戻る。



昼麻ちゃんの前にコップを置いたところで悠麗が部屋から出てきた。



手には数冊の雑誌とDVDのケース。



それをあたしに手渡した。



「ん、海琉によろしく」



悠麗に渡されたエロ本は、女子高生物とか、巨乳の水着とか…。



自分で持ってこさせてあれだけど、弟の性癖とか知りたくないな…。



昼麻ちゃんを見ると、なにも言わずに気まずそうにうつむいてる。



ごめんっ、気まずいよね!?



「ていうか…。彼氏がエロ本持ってるってどうなの?昼麻ちゃん的に」

「いや…あたしは…別に…」



恥ずかしそうな昼麻ちゃん。



あたしのバカ!



何やってんだよ~。
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