好きの海に溺れそう
飲みかけのお茶を手渡す海琉。



それを受け取って飲みつつ、海琉の寝癖を直してあげる。



「お前ら仲良いな」

「そりゃそうでしょ。ってか何見てんの?」



海琉にお茶を返して、小太郎が広げてる写真を興味本位で近くに見に行った。



海とか、風景、動物や人物、ジャンルは色々の写真。



「綺麗だね」

「全部、俺んとこに通ってるアマチュアのカメラマンが撮ったやつ」



アマチュアでこんな素敵な写真を撮るんだ…。



感心して見てたら、完全に目を覚ました海琉があたしの隣に来た。



「小太郎くんの会社って、具体的にどういうことしてるの?」

「簡単に言うと、カメラマンの事務所ってとこ。俺のとこは、更にアマチュア養成とかもやってて、割とそっちに力を入れてる 」



ふーん。



実の父親ながら、全く知らなかった。



もう少し詳しく聞くと、メインは芸術写真を撮るフォトグラファーが在籍してて、他にも商業カメラマンとかテレビカメラマンとかもいるらしい。



プロを目指してるアマチュアには、講義をしたりする他にアシスタントの仕事をやらせたりして経験を積ませてるみたいだ。



「どうやってそんなに人集めたの?」

「俺の元々の知り合いとか、その知り合いが呼んでくれたりって感じ」

「へー」

「今はまだ会社が小せえから出来ること少ねえけど、今後は趣味程度からプロ向けまで色々と、養成所ができればって思ってる 」



そうなんだ…。



やりたいこととか、はっきり持ってるんだね…。
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