好きの海に溺れそう
そう言って口をつぐんだ杏光。



何か迷ってるような表情…。



えっ、なに…?



言われたのは意外な言葉。



「……実は、海琉に近づく女みんないなくなれって思ってるよ」

「えっ…」

「余裕あるのは本当だけど…心の奥底にそんな気持ちがあるの、見ないようにしてるの。余裕でいたいから」



そうだったの…?



みるみる赤くなる自分の顔。



嬉しい…。



「ほんと仲良いね~あんたたち」



そこに、急に入ってきた杏香さん。



びっくりしたー…。



杏光が身体を離した。



「入るときはもっと分かりやすく入ってよ、いい雰囲気だったのに」



杏光が杏香さんに文句を言った。



「はいはい、悪かったね。早くお風呂入りな~」

「だって。海琉一緒に入ろ」



入らないから!!
< 217 / 350 >

この作品をシェア

pagetop