好きの海に溺れそう
「だって杏光。降りて」



海琉もそう言うけど、海琉だってしっかりあたしのお腹に腕を回してる。



降ろす気ないでしょ。



先生がまたため息をついた。



「それはそうと霜月、急に日にち変えて悪かったね」

「あ、いえ、大丈夫です」



先生は言ってから海琉にプリントを配りはじめた。



あ、このままはじめるんだ…。



「とりあえずそれから解いて」

「はい」



海琉があたしを膝に乗せたまま真剣に問題を解き始めた。



あたしも海琉の問題を見てみる。



うわ~懐かしいな…。



ちょうど1年前にやった内容だ。



「できました」

「じゃあ1つ1つ解説してくから」

「はい。あ、その前に、杏光」



ん?



なんだろう。



「足痛い…」



降りろってこと!?



海琉に言われたらしょうがないな…。



膨れながらしぶしぶ降りた。



海琉の後ろの席で伏せて寝た。



そのまま眠気が襲って…。
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