好きの海に溺れそう
「返事は?」

《まだしてない…》

「玖麗はどうしたいの?」

《正直、わからなくて…。悠麗のことはまだ変わらず…すっごく、好きだけど…》



玖麗もつらいのか…。



煮え切らない態度の悠麗に、これからどう想いを持ち続けていいのかってことだよね…。



「玖麗、賭けしよっか」

《賭け?》

「あたしが今から悠麗に、玖麗がデート誘われたこと言う」

《えっ…》

「それで何も悠麗がアクション起こさなかったら、そのときは玖麗も…一歩、違う世界を見てみな」

《わかった…》



うまくいきますように…。



電話を切った。



とりあえず、部屋を出てリビングへ。



リビングでは、お風呂上がりの悠麗が髪の毛をタオルで拭きながら1人でテレビを見てた。



「風呂上がったから入れんぞ」

「んーありがと」



あたしは何気なく言って、悠麗の隣に置いてある洗濯物を手にしながらソファに座った。



「間宮くん覚えてる?」



洗濯物を畳みながら、さりげなく悠麗に聞く。



悠麗はぴくっと反応した。
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