好きの海に溺れそう
怪我の功名
~海琉~

夏休みはあっという間に終わった。



去年の夏休みは、杏光と色々あったから物凄く長い夏休みだった。



杏光と付き合ってもう一年。



あっという間だったなあ。



長いような、短いような…。



試験の日程と、写真展開催に必要な申請のトラブルが重なったみたいで、杏光は忙しそうだった。



試験は昨日終わったけど、杏光はあんまり寝てないんじゃないかな…?



心配…。



試験は終わったけど当然ながら学校は今日もある。



支度を済ませて杏光の家へ。



「杏香さんおはよー」

「あ、海琉くんおはよう。ちょうどいいところに来た! 杏光起きないんだけど、海琉くん起こして」



杏光が寝坊なんて珍しい…。



杏香さんに言われるまま、杏光の部屋に行った。



「ほら杏光、海琉くん来たよ、起きなさい!」

「ん~…」



全く起きる気配がない…。



「杏光~。学校行こ」

「ん、海琉…。ん~…チューして…」



何言ってんの杏光…。



杏香さんを見るとニヤニヤしてる。



「じゃああたしもう仕事行くからあとよろしくね~」
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