好きの海に溺れそう
「あたしも顔出そうかな?」



玖麗がそう言うと、後ろから来た悠麗が玖麗のことを後ろからふわっと抱きしめた。



人前で平気でいちゃつくところが杏光にそっくりだ。



「玖麗はダメ」

「どうして?」

「杏光の風邪移ったら困るじゃん」



2人がラブラブなのは嬉しいけど悠麗ひどい…。



「俺の彼女のこと菌扱いしないでよ」

「ほんとだよ! 悠麗のバカ!」



玖麗がそう言って悠麗の腕を叩いた。



悠麗は「ごめんごめん」と笑いながら言う。



もう…。



アイスを持って杏光の部屋にもう1回行く。



杏光は暇そうにスマホでゲームしてた。



「あっありがと~!」

「熱どう?」

「ん?どうだろ」



スマホを置いて、傍らにある体温計を取って脇に差す杏光。



俺は、杏光のために持ってきたアイスを自分でちょっと食べる。



しばらくして、電子音がして杏光が体温計を外した。



「ん」



体温計を差し出して見せてくれる。



37.8℃。



少し下がってる。



杏光の氷枕を変えてから杏光にアイスを渡してあげると嬉しそうに食べはじめた。
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