好きの海に溺れそう
キャベツとにんじん、しいたけを細かく刻んだところで、トイレに行ってたっぽい玖麗がやってきた。



「なに作ってるの? おいしそう」

「夏野菜カレーだよ。なんか知らないけど冷蔵庫に大量に野菜入ってて…」

「あ~それなんかね、おばあちゃんの家から送られてきた野菜と、小太郎くんが野菜市に友達と行った時期がたまたま被っちゃったからそんなことになってるんだって」



なるほど…。



どうりで八百屋みたいになってるわけだ。



本当にお店開けるよ、これ…。



「今から悠麗の部屋でゲームするんだけど来ない?」



玖麗がそう言ったとき、悠麗も部屋から出てきた。



「なにやってんの?」

「海琉もゲーム一緒にやらないかなと思って」

「…」



悠麗がじとっとした目でこっち見てるの、玖麗は気づいてるかな?



悠麗は部屋で2人きりでいたいんだね…。



邪魔しないから安心して…。



「俺はごはん作るし杏光1人にできないから気にしないで2人でやってて」

「そっかー…」



悠麗は分かりやすいくらい明るい表情になった。



玖麗のこと大好きなのが伝わってくるよ。



料理を一通り完成させてから、杏光の部屋にそっと様子を見に行った。



杏光は寝てる。



『起きたらごはんできてるから呼んでね』



杏光のスマホにメッセージを入れた。
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