好きの海に溺れそう
『今日は班行動で水族館行ったりするよ~』



海琉から返事が返ってくる。



あたしの知らない女と水族館!?



さっきまでのワクワクから一転、一気に気持ちが沈んだ。



『ばーかばーか』



むすっとしながら返事を返す。



海琉から『?』と返ってきた。



海琉は全く悪くないし浮気の心配をしているわけでもなく純粋に嫌なだけ。



怒ってると海琉がかわいそうなので『浮気したら殺すよ~』と送った。



もう知らない!



その日も一人で登校し、また日夏に「歩と約束してる」と一緒に帰るのを断られて一人で帰った。



仲良さそうでいいですね!



マンションに着いたらちょうど悠麗と玖麗に出くわした。



手なんて繋いじゃって…。



「杏光だ~。おかえり」

「ただいま~…」

「なんか怒ってる?」



鋭い…。



怒ってるというかイラついてるだけです…。



「海琉いなくてイライラしてんだろ」

「あ、そういうことか」



悠麗はそう言いながらナチュラルに玖麗の髪をなでた。



玖麗も少し照れながら嬉しそうに笑う。



わかってんなら目の前でいちゃつくな!
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