好きの海に溺れそう
「本当に…? 胸触られたりとかも…?」

「そんな恥ずかしいことできるわけないじゃん…」



かなりびっくり…。



悠麗、めちゃくちゃ我慢してて偉いじゃん…。



「玖麗…相当大切にされてるね」

「そうなの…かな?」



あの肉食の悠麗がまだ手出してないのは本当に大切にしてる証拠だと思う。



機会だっていくらでもあっただろうに。



「さすがにキスは大人のやつだよね?」

「…うん」



それはそうか…。



悠麗、あたしあんたのことだいぶ見直したよ!



2人でうまくやってるみたいで安心した。



嬉しい気持ちを抱えたまま夜になって、ご飯を食べてたら海琉から電話がかかってきた。



箸をすぐ止めてスマホを取った。



「飯食ってるときに行儀悪いだろうが。あとにしな」



小太郎に怒られたけど無視。



あたしは今、世界中の片思いの女の子みたいに海琉の連絡一つ一つが待ち遠しくてしょうがないんです!



「もしもし!」

《杏光の声だ~》



電話越しの海琉の声が、まだ二日目なのにすごく久しぶりに感じた。



この声だ…。
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