好きの海に溺れそう
「海琉大好き…」

「俺も大好きだよ」

「海琉と一緒に過ごす時間がこんなに減って、仕事なんて投げ出したいよ…。でも、あたしがやるって決めたことだから、頑張る…」

「ん、応援してる」

「なるべく早く帰ってくるね?」



身体を話した杏光と見つめ合った。



俺は杏光に微笑む。



多分、社会に出て大人になるってこういうことなんだと思う。



杏光が少しだけ早く、大人の扉を開けたような気がした。



そして迎えたクリスマスイブ。



出発する前に俺の家に寄った杏光は、「絶対早く帰ってくるから!」とだけ言って出発してしまった。



クリスマスなのに暇な俺…。



一瞬悠麗のところに行こうかと思ったけど、玖麗と会ってないわけがないのでそれは却下。



あっ良いこと思いついた…。



買い物に行くために着替えて財布を持った。



「あれ、どこか行くの?」



家を出ようとしたら、お母さんに呼び止められた。



「スーパー行くよ」

「あ、だったらついでに色々買ってきてほしいんだけど…」



というわけで、お母さんから大量に書いてある買い物メモを預かって家を出た。



『クリスマス用のチキン』って書いてある…。
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