好きの海に溺れそう
「ありがと」

「へへ」



と、そんなやり取りをしてたら気になる視線…。



ニコニコしてる両親。



やや気まずい…。



「2人が仲良しで嬉しいな~」

「ラブラブなんだねえ」



お母さんとお父さんが口々に言い合う。



杏光は「でしょー」なんて言ってニコニコしてるけど。



俺はごまかすようにスープを口にいれた。



我ながらじゃがいもが滑らかで美味しい。



ご飯を食べ終わって、黄色いお母さんのエプロンをしながらお皿を洗ってる杏光。



両親はお風呂入ってたり自分の部屋に行ってたりでいないから、後ろからそっと抱きしめた。



「海琉、改めて今日ごめんね」

「んーん? 仕事だし仕方ないよ」

「ありがとう…」

「洗い物はあとでやるから部屋行こ?」



完全に2人になりたい…。



俺がそう言ったら、杏光が水を止めてくるっと振り返って軽く俺の腰のあたりを引き寄せた。



杏光がにこっと笑う。



「じゃあそうしよっか」

「うん…。行こ」

「あっそうだ、その前にちょっと待って」
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