好きの海に溺れそう
「あ、あと少しで年明けるよ」



列に並びながら、みんなでカウントダウンをした。



新年最初に一緒にいる人がこの世で一番愛してる人だなんて幸せだ。



並んでたらやっと自分たちの番が回ってきて、あたしは神様に、こんな幸福に恵まれてることに感謝した。



おみくじを引いたらあたしは大吉。



海琉は小吉で、悠麗と玖麗は吉だった。



「吉って中吉とか小吉より上なんだよね?」

「そうみたい。俺だけ微妙…」



海琉はちょっとがっかりしてたけど、おみくじなんて良い物だけ信じればいいんだよ。



自分の幸せは自分でつかみ取る物だし。



それからみんなであったかい甘酒を飲んでから家に帰った。



今年も良いお正月!



そして、三が日をあっという間に過ぎ、学校に行きつつ仕事をこなして、ついについに写真展の当日になった。



早朝から一番乗りで会場に来るあたし。



眠いけど、それ以上にワクワクしてる。



あたしが担当したブースのチェックをしてたら北田さんが来た。



「お、早いね-」

「おはようございます! 早く来たくって」

「楽しみだね」

「はい! すごく」



写真展は一週間開催する。



写真の販売ももちろんするけど、その他に収益を上げるためにポストカードとかキーホルダーみたいなグッズも販売する。
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