好きの海に溺れそう
「もうお二人の姿学校で見られないなんて残念です~…。最後に写真撮ってもいいですか…?」



仕方ないので、俺と杏光のツーショットを何枚か撮ってもらった。



こんなの撮って一体どうするんだろう…。



それからなぜか、その様子を見ていた見知らぬ後輩の女の子2人組にもお願いされてしまった。



撮り終わってから、杏香さんと小太郎くんがニヤニヤと見てる。



「あんた達ファンとかいるんだね~。あたし驚いちゃったよ」

「いやいや…」



まさかこの2人にバレる日が来るとは…。



恥ずかしい…。



「杏光~。クラスで写真撮るって~」

「あ、はーい」



日夏先輩に呼ばれて杏光はクラスの方に行った。



仲良さそうにみんなで撮ってる。



俺はその様子をぼんやりと眺めてて。



「じゃ、俺らそろそろ帰るわ」

「もう帰るの?」

「これ以上ここいてもしょうがねえだろ」

「それもそうだね」

「んじゃーな~。今日晩飯豪華だから俺んちで食ってっていいぞ~」



小太郎くんはそれだけ言って杏香さんと2人で帰ってった。



しばらくしてから杏光が戻ってきた。



「お待たせ~…」
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