好きの海に溺れそう
今週も疲れた…。



早く帰って海琉に癒やしてもらおう…。



少し早歩きで帰路につくと、家の近くのコンビニから海琉が出てくるのが見えた。



なんで!?



海琉もあたしに気がついて、笑顔で手を振った。



あたしの癒やし~!



嬉しくて海琉に駆け寄った。



「海琉なんでいるの!?」

「クリームシチュー作ってたら牛乳ないことに気がついて買いにきたの」

「そっか~。昨日全部使っちゃったんだよね」

「ん、おつかれ杏光」



海琉だ~…。



海琉があたしの重たいバッグを持ってくれて、手を繋いで2人でマンションに帰った。



エレベーターを下りて廊下を歩くと、あたしの部屋の隣から瀬野くんが出てきた。



あたしに気づいて、「あ」という顔をする。



海琉がそれに気がついたのか、あたしの手をぐっと引いてあたしを背中にちょっと隠した。



心がきゅっと音がする。



でも瀬野くんはあんまり気にしてないみたい。



「おー、暮名おかえり~」



あたしにそう言ってから、海琉を見て笑顔でぺこっとお辞儀した。



そしてすれ違う。



海琉を見ると、無言。



顔つきも無表情だ。



怒ってる…?
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