好きの海に溺れそう
幸せいっぱい
~海琉~

同棲生活が最高に幸せ。



クローゼットに吊してる俺の制服や、浴室に綺麗にかかってる2人分のバスタオル。



そんなものが目に飛び込んでくるたびに、一緒に生活していることの喜びを感じる。



朝、俺の目覚ましで目が覚めて、隣で眠る杏光のおでこにキスしてから、ぼーっとした頭で布団から出る。



2人分のお弁当を作るのが俺の日課。



お弁当が出来た頃に杏光が起きてきて、一緒に朝ご飯を食べる。



化粧してる杏光に行ってきますと言ってから通学するのが毎日のルーティーンだ。



今日も、教科書とお弁当をカバンに詰めて家を出た。



「行ってきまーす」

「行ってらっしゃーい!」



杏光がマスカラをしながら元気に送り出してくれる。



学校ではいつも通り。



杏光と一緒に住んでることは担任の先生以外は誰にも言ってない。



新太とかにバレたら面倒くさそうだもん…。



そう思ったのに、今日の朝、突然バレた。



「海琉、やべえ!」



それは、2限終わりの休憩時間。



2限の授業の教科書をしまってたら、海琉が俺の席に飛んできた。



「数学の宿題、俺今日当たるのに宿題やるのも教科書そのものも忘れた!」

「バカじゃん…」

「お前そう言うなよ…。頼む、授業までには返すから、教科書貸して?」



手を合わせて上目遣い気味に俺を見る新太。



新太がやっても別にかわいくないよ…。
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