好きの海に溺れそう
~杏光~

季節はもうすっかり夏。



でも熱帯夜みたいな今日も、海琉と同じ布団で眠ることが幸せだ。



おやすみをして電気を消して、海琉にぎゅっとくっついた。



「…暑い」



海琉がそうやって文句を言う。



クーラーつけてるんだから暑くないでしょうが!!



まあ暑いけど…。



海琉のバーーカ…。



気にせずくっついて眠った。



「暑いって…」



そうやって鬱陶しそうにして…。



最近ちょっとあたし達の間に緊張感なくない?



幼なじみだから元々緊張感なんてないけど、なんかこう、カップルならではのそういうの…あるじゃん…。



だけど、夜中トイレで目が覚めたら、海琉ががっつりあたしのことを抱きしめて寝てた。



思わず頬が緩む。



鬱陶しそうにしてたのに無意識にあたしのこと求めてんじゃん…。



もったいなくてトイレ行けなーい!



でも我慢できないと困るので、ひっそりと抜けてトイレに行って戻った。



「ん…」



海琉があたしの肩に片腕を伸ばして抱き寄せた。



きゅーん…。



そんな今日は久しぶりに海琉とデート!



暑いから水族館に行こうって話になった。
< 326 / 350 >

この作品をシェア

pagetop