好きの海に溺れそう
朝起きて、気合い入れておしゃれする。



「海琉~!どう!?」



薄い花柄でミニのワンピース。



カジュアルだけどガーリーでこの前一目惚れして買ったやつ。



先に仕度が済んでベッドの上でくつろぐ海琉に見せた。



「似合うね~、かわいい」

「でしょ」

「でもスカート短すぎて他の男の人に見られる~…」



海琉がそう言ってあたしの手を引く。



ストンと海琉の横に座った。



海琉に髪の毛を撫でられる。



「海琉のこと好きなんだから別によくない?」



海琉が可愛くて、ちょっといたずらっぽくそう言った。



なのに、海琉はそれをさらっと流した。



「好きとかそういうことじゃなくてさあ~…」



やっぱこいつ言われ慣れしてる!



もっとあたしの言葉に対して動揺したりしてよ~…。



不満なあたしは海琉の頬をぐっと両手で挟んだ。



「…なに?」

「もう今日は海琉の喜ぶようなこと言わないからね」

「え?なに?どういうこと?」



訳の分からない顔をしてる海琉。



知らなーい!



「ほら!行こう!」

「…? うん」
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