好きの海に溺れそう
「さっきまで潰れてたんだけど…ちょっと寝たあとに急に起き上がってまた元気になっちゃって…」

「こんなに酔うの珍しいのに…。こっちこそご迷惑おかけしてすみません」



一緒にいる男の人は見たことない2人。



今年から新卒をとりはじめたって言ってたから、多分新入社員だろう。



「杏光さん最高っすね~」

「でしょー? じゃあ乾杯~!」



杏光が2人と乾杯してる…。



ちょっとちょっと…。



その手を止めた。



他の男の人と仲良くしてるの見て妬かないわけがない…。



「もう飲むのやめな?」

「なんで~?」

「飲み過ぎだよ…」



俺がそう言うとへらっと笑った。



「海琉がやめろって言うならやめる~!」



可愛いけどその可愛さよそに見せないで…?



「ていうか日付回る前に帰ってくるって言ってたのに…。心配したじゃん!」

「えっ今何時?」

「もう1時近いよ…」

「うっそ! ごめんね?」

「もう…」



それから杏光が立ち上がった。



「じゃああたしは帰りまーす!」



そう言ってお財布からお金を出した。
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