好きの海に溺れそう
クローゼットの隣に置いてあったTシャツとジャージの短パンを海琉に渡す。



それを受け取った海琉が、いきなりTシャツを脱ぎだした。



ちょっ…。



不意打ちはやばい!!



そして何気にいい身体でいらっしゃる…。



海琉のくせに…。



細くて締まりがあって。



若干見えてるパンツがセクシ~…。



「杏光顔赤いよ…?」



Tシャツを来た、まだ寝ぼけてる海琉の手があたしのおでこに伸びてきた。



あたしが好きになった海琉の手がおでこに触れる。



そこから体全身に熱が伝わって、心臓のドキドキが止まんない…。



って、何このシチュエーション! あたしキモい!!



「海琉、起きなさい!」



海琉の顔を両手で挟んで叩いた。



ちょっととんがる唇がかわいい。



「じゃあリビングで待ってるからね」



そう言って部屋を出ても、鳴り止まない心臓…。



恋ってこんなに体力使うっけ…。



朝ご飯をみんなで食べてから、海琉の家を1人で出た。



今から夏樹と待ち合せの場所に行く。



公園に着くまですごくドキドキした。



それは恋のような心地良いドキドキじゃなくて…。



気持ち悪い…。



公園に着き、先にいた夏樹があたしに笑顔を向けた。



更にその気持ちの悪いドキドキが増す。



「なつ…」

「どっか行く?」



夏樹の言葉に首を振った。



「座る…」
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